事例紹介

将来を見据えた家族の遺産分け(二次相続)

将来を見据えた家族の遺産分け(二次相続)

お客様の悩み・状況

父が平成28年12月97歳で亡くなりました。相続人は高齢の95歳の母と私と姉の3人です。母は父と福岡の自宅で一緒に過ごしておりましたが、一人になり耳も遠くなり、認知の具合も進んできたので、相談者である長男が2年くらい前から単身で両親の面倒を見てきました。長女は嫁に行って現在は名古屋市に居住しております。母名義の不動産も加えると5つの不動産があり、母の相続もそう遠くないことから、将来の2次相続も含めて今回の1次相続をどのように分割したらよいかご相談に乗っていただきたい。

解決内容

まずは、ポイントとなる5つの不動産についての現状確認からスタート致しました。被相続人の所有する不動産はすべて配偶者との共有不動産であり、配偶者の所有する不動産も含めて全体の不動産の状況を調査する必要がありました。一つ一つの不動産の現状を確認するとほとんどの不動産が相当古く建て替えの時期に来ているものばかりでした。
建て替えして有効利用を図るか、建物を取り壊して更地にして売却するかの判断はやはり専門家の力をお借りする必要がありました。さらに不動産の一つは借地の上に建物を建てて借家として賃貸している借地権付き建物でありとても立退料等の問題もあり、とても売却できる物件とは思えませんでした。
そこで、借地権付き建物の整理を業としているSR社に借地権付き建物の整理の方法と合わせて他の不動産の診断もして頂き、将来の売却可能性や売買予想価額などを見積もってもらい、不動産ごとに整理を致しました。

今回のポイントは今回の相続が1次相続であり、まだ2次相続を発生していない中でお母様が自宅に居住されていることから、所有不動産が相当古くなっていても将来有効利用するのか、更地にして売却するのかの判断について専門家の目からアドバイスを頂いたことで今後の方針が立て易くなったことです。

具体的には、まず将来一番売却できそうなKアパートの土地建物をお姉さんに被相続人の持分を相続してもらい、二次相続時も残りの母の持ち分を相続することでいつでも売却することが出来る状況を確保することでお姉さんの相続分がまず確定させました。
その次は自宅の敷地について、昔からこの自宅敷地で商売をされてきたことから貸店舗がある店舗併用の自宅でした。

そこで、お母さんが亡くなったら、賃貸マンションを建て替えすることが出来る敷地なので、長男である相談者とお母さんが二次相続発生時まではここで生活をして、二次相続が発生したら売却するか、建て替えするかは長男が決めるということで、この自宅の建物及び敷地を長男が相続することになりました。
当然小規模宅地の評価減も二次相続時には適用できるのは言うまでもありません。二次相続が発生していない状況下で、将来を見据えた分割を提案することは非常に困難ではありましたが、
一つ一つ専門家と連携して解決することができ、相続人の方々に納得して頂いた分割案が提示できたことは非常に満足しています。

 

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