年末年始は、帰省などで家族が集まる機会が多くなります。そんなときに考えたいのは「相続対策」です。
しかし、一口に相続対策といっても何をすべきなのかわからないケースが大半です。
今回は、相続対策についての正しい順番と考え方について説明します。
相続対策というと、主に以下の3つの柱に大別できます。
1. 「 争族」対策
2. 納税 対策
3. 節税 対策
相続対策というと、つい「相続税」対策と考えがちですが、そうではありません。節税第一で考えるとうまくいかないこともあります。
まず考えるべきことは「争族」対策です。
「家族全員仲がいいから、うちに限って相続でもめることはない」と考えたくなりますが、そのような思い込みが危険です。
実際、両親のうちどちらかが健在のときは、家族はもめないものです。しかし、その後の二次相続で親族間の争いが起きるケースが多いのです。
「争族」対策は、そのとき限りの対策だけではなく、二次相続まで見越して考えましょう。
家族間の争いを避けたいのであれば、遺言書を作成することをおすすめします。これが最も効果的な「争族」対策といえるでしょう。
< 親子同士ではなかなか現金の話はしない >
続いて納税対策です。相続税を支払うとなると、現金が必要です。
しかし、家族間ではなかなか「現金をいくら持っているか」という話はしないものです。相続対策の一環として、納税にどれだけ使えるのか(足りないのか)代償金としてどれだけ払えるのか(足りないのか)、という金額を把握する必要があるでしょう。
財産や負債の状況や内容の把握に誤りがあった場合、その把握に基づく行動の結果も誤ったものになります。
両親の現金が潤沢なようであれば、生前贈与を検討しましょう。
一方、相続税の納税資金が不安なようであれば、生命保険の活用を考えるとよいでしょう。
「争族」対策と納税対策を考えたら、ここで節税対策です。
主に以下の策が考えられます。
● 課税財産(プラスの財産)を減らす
● マイナスの財産を増やす
● 法定相続人を増やして、基礎控除額を増やす
● 税額控除、特例を活用する
相続が発生してからでは、打てる対策は限られています。
一方、相続の事前対策を済ませておくと、親族同士の骨肉の争いを防ぐことができ、相続税を大幅に削減できる場合があります。
相続対策は、どれがベストなのかは人それぞれです。